新しい命をお腹に迎える妊娠。
超音波検査などで赤ちゃんの姿を見たり、胎動を感じたりすると、赤ちゃんの誕生がより待ち遠しくなりますね。
しかし、これはお母さんとお父さんが大人だから喜べること。
上の子がいて年齢がまだ小さい場合、お腹の中に赤ちゃんがいることを理解してもらうのは簡単ではありません。
出産して下の子供が家族に仲間入りすると、上のお兄ちゃんやお姉ちゃんが寂しく感じることも。
二人目妊娠・出産をきっかけに、上の子供に起きる赤ちゃん返りについて、子供の変化と対策を紹介します。
目次
赤ちゃん返りとは?
二人目や三人目の妊娠・出産など、兄弟姉妹が増える時に、上の子供が甘えん坊になったり、幼児化したりする変化を「赤ちゃん返り」といいます。
第一子は、お母さんとお父さん・おじいちゃんやおばあちゃんから、ずっと「可愛い」と言われ続けてきました。
今まで愛情を独り占めしてきた上の子供にとって、兄弟姉妹が増えることは、ライバルが現れるようなもの。
赤ちゃん返りは、上の子供が不安や嫉妬を感じることで現れるといわれています。
赤ちゃん返りによる変化
赤ちゃん返りすると、上の子供に次のような変化が見られます。
感情の起伏が激しくなる
今まで穏やかだった子供が、突然物を投げ出したり、叩いたりします。
また、泣いたり、夜に寝られなくなったりなど、落ち着きがなくなります。
一時的に感情の起伏が激しくなる子供もいれば、ずっと不機嫌になる子供もいます。
妊娠をきっかけに、お母さんは上の子に対して、「これも、あれもできるようになってほしい。」といった自立を求めがちです。
出産して、下の子の育児に追われることを考えると、上の子にある程度自立してほしくなりますが、上の子供にとっては、お母さんの期待が重荷になることも。
今まで穏やかだった子どもの感情が不安定になったら、「お母さんにかまってほしい」というサインを出しているのかもしれませんね。
甘えたがる
妊娠初期はつわりによって、また、妊娠週数が進むとお腹が大きくなることによって、上の子供を抱っこする機会が少なくなります。
つわりが重いお母さん、切迫流産と診断されたお母さんは寝たきりになり、上の子供と遊ぶ機会も減っているかもしれません。
下の子供が生まれると、お母さんの愛情を一人占めしてきた上の子供はますます
「いつも抱っこしてくれていたのに抱っこしてくれなくなった」
「遊んでくれていたのに遊んでくれなくなった」
と感じるようになります。
しかし、上の子供の年齢によっては、「抱っこして」「遊んで」と言葉で伝えられません。
行動や態度で表すしかないのです。
できていたことをしなくなる
上の子供が3歳を過ぎると、トイレや着替え、食事など、一人である程度できるようになります。しかし、一人でできるようになっていたことを、できないふりをして、お母さんに手伝ってもらいたがるようになります。
また、トイレトレーニングが完了していても、トイレをわざと失敗してみせる子どももいる一方、「お母さんにかまってほしい。でも、お母さんはしんどそうだから。」と、子どもなりに気を遣って、ストレスがたまり、わざとではなく、本当に失敗してしまう子どももいます。
(4)幼稚園や習い事を休みたがる
幼稚園や保育園、習い事に楽しく通っていた子供が、病気ではないのに休みたがるようになります。
これはお母さんとできるだけ長く一緒にいたいという想いの現れです。
病気ではないのに休みたがる日が続くと、子供が体調を崩している時に気付きにくくなります。
「病気じゃないのに」「仮病かもしれない」と思わず、お母さんは子どもの様子をよく観察する必要があります。
しかし、中には赤ちゃん返りをせずに積極的にお手伝いをしたり、「できるようになろう!」と頑張ってくれたりする子どももいます。
赤ちゃん返りをしないからといって、上の子供が我慢をしているとは限らないので安心してくださいね。
赤ちゃん返りの対策
上の子が2歳であっても5歳であっても、年齢に関係なく、赤ちゃん返りするといわれています。
上の子が赤ちゃん返りをしたら、どのように対応すれば良いのでしょうか?
また、赤ちゃん返りを防ぐために、どのように対策をすれば良いのでしょうか?
上の子とゆっくり過ごす
妊娠中は抱っこできない、遠くに出かけられないなどの制限がありますが、下の子供が生まれると、上の子供と一緒に遊ぶ時間が減ってしまいます。
上の子供とゆっくり過ごせるのは妊娠中だけだと考えて、上の子供に接しましょう。
赤ちゃん返りをして、上の子供の感情の起伏が激しくてもお母さんはできるだけ叱らずに、上の子供の話を聞いてあげてください。
スキンシップをとる
妊娠中は抱っこやお風呂をお父さんに任せがち。
お母さんと子供の肌が触れ合う機会が減っています。
立って抱っこできないなら、座って抱っこを、座って抱っこできないなら、寝転んで抱きしめてあげるなど、肌と肌を触れ合わせましょう。
おすすめは昼寝で添い寝すること。
妊娠週数が進みお腹が大きくなると、お母さんは睡眠不足になりやすいです。
昼寝で睡眠時間を補い、身体を休める必要があります。
子どもと一緒に昼寝することは、子どもとスキンシップをとるチャンスであり、お母さんの身体を休めるチャンスでもあります。
子どもが目を覚ました時に、お母さんが隣で寝ていると、「ずっと一緒にいてくれたんだ」と感じて子どもも安心しますね。
兄弟姉妹ができることを話す
幼稚園や習い事に通っている子どもであれば、兄弟姉妹がいる友達に出会っているかもしれませんが、通っていない子どもであれば、兄弟姉妹が自分にとってどういう存在なのかを理解できないかもしれません。
お母さんとお父さんが言葉で伝えると同時に、兄弟姉妹が登場する絵本などを読んで、ちょっとずつ理解してもらうようにしましょう。
赤ちゃん返りの経験談
私は上の子が2歳4ヶ月の時に、下の子を出産しました。
2歳というと、イヤイヤ期の真っ最中。
上の子の行動がイヤイヤ期によるものなのか、赤ちゃん返りによるものなのかを見極めなければいけませんでした。
「たぶん、赤ちゃん返りによる行動なんだろうな」と思ったものは、下の子のお世話を邪魔するような行動でした。
例えば、
下の子のオムツを交換している時に、新しいオムツを部屋の端に持って行ったり
下の子の授乳中に私の腕に絡みついたり
近くで大きな声を出して、下の子をびっくりさせたりしていました。
こういう時の上の子の表情はいつもムスッとしていました。
下の子が泣くと、上の子が下の子の真似をして声を出すので下の子を抱っこしてあやさなければならず、上の子にますます寂しい想いをさせていましたが、下の子が寝ている間に、上の子をぎゅっとたくさん抱きしめたり、食事の時間に合わせて下の子を寝かしつけ、「おいしい?」、「おかわりする?」など、上の子にたくさん話しかけたりして、上の子とコミュニケーションを取る時間を大切にしました。
それでも、下の子のお世話に追われている時は、上の子は不機嫌そうにしていますが、上の子とコミュニケーションを取っている時間はとても楽しそうにしてくれているので、「ごめんね。しばらくの間だからね」と声をかけています。
まとめ
二人目妊娠、出産をきっかけに、上の子供に起きる赤ちゃん返りについて、変化と対策を紹介しました。
二人目以降の妊娠・出産など、上の子供にとって兄弟姉妹が増える時に、上の子が甘えん坊になったり、幼児化したりする変化を「赤ちゃん返り」といいます。
赤ちゃん返りは、上の子が不安や嫉妬を感じることで現れるといわれていて、感情の起伏が激しくなったり、甘えたがったり、できていたことをしなくなったり、幼稚園や習い事を休みたがったりします。
上の子供が赤ちゃん返りしないようにするためには、お母さんが上の子とゆっくり過ごしたり、スキンシップをとったりすることが大事です。
また、お母さんとお父さんが一緒に、上の子供に兄弟姉妹ができることを話し兄弟姉妹がどのような存在なのかを伝えることも大事。
妊娠すると、上の子に自立を求めてしまいがちですが、上の子が感じる不安やストレスを理解してケアしていきましょう。