筋肉がつく前の子どもの脚は触り心地が良く、可愛らしいですよね。
ズボンやスカートから出るムチムチした脚は子どもならでは。
一方で、同じ年齢の他の子どもの脚を見て「うちの子どもの脚、太過ぎじゃないかしら?」と、子どもの肥満の可能性を心配するお母さんも少なくありません。
子どもの肥満の基準、原因、解消法、解消する時の注意点を紹介します。
子どもの肥満の基準
成長期を過ぎた大人であれば、身長が今以上に伸びることはないので、体重計に乗れば、「(体重が増えているから)太ったかな?」と判断できます。
しかし、身長が伸びる子どもは体重が増えて当たり前。
伸びる身長と増える体重のバランスがとれているかどうかがポイントになります。
では、子どもの身長と体重のバランスがとれているかどうか、子どもが肥満かどうかは、どのように判断すればいいのでしょうか?
一番簡単に判断する方法は、母子手帳に掲載されている「乳児身体発育曲線」「幼児身体発育曲線」で確認することです。
子どもの身長と体重が曲線の範囲内におさまっていれば、肥満や痩せ気味ではありません。
また、幼児については、肥満度(実測体重から標準体重を差し引いた数値を、標準体重で割って100を掛けたもの)を使って判断します。
大人の標準体重は性別と身長で定められていますが、幼児の標準体重は性別と身長、年齢で定められています。
子どもの性別、年齢、身長、体重を入力すれば、肥満度を計算できるサイト
(「竹田こどもクリニック 身長と肥満度の判定」)
があるので、子どもの体型が気になるお母さんは利用してみてください。
肥満度が15%を超えると太り気味、20%を超えると太っている、30%を超えると太り過ぎだと判断します。
算出された肥満度に応じて、現状維持でいいのか、肥満を解消する必要があるのかを考えるようにしましょう。
子どもの肥満の原因
年末年始におせち料理を食べて、自宅でダラダラ過ごしていたら、あっという間に正月太りしますよね。
正月太りの原因は摂取カロリーが消費カロリーを上回るからです。
子どもの肥満にも、摂取カロリーと消費カロリーが大きく影響しています。
具体的にみていきましょう。
摂取カロリー
子どもの摂取カロリーが高くなるのは、偏った食生活と食事回数の多さが原因です。
偏った食生活
子どもはフライドポテトやチキンナゲット、ハンバーグなど、油を使った料理が好きですよね。
大きな口で嬉しそうに食べる子どもの姿を見ようと、ファーストフード店やファミリーレストランをよく利用していませんか?
外食をするにしても、ファーストフード店でテイクアウトをするにしても、子どもが好きな料理は炭水化物やタンパク質が多く、野菜が不足しがちです。
カロリーが低い野菜を食べずに、カロリーが高い炭水化物やタンパク質でお腹を満たすと、摂取カロリーがどんどん高くなります。
食事回数の多さ
散歩の途中で、コンビニに立ち寄って、お菓子をついつい買っていませんか?
中には、普段の買い物で、お利口にしていたら、お菓子を買ってあげるという約束をしているお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
朝昼晩の3食で摂取できない栄養素を補う目的でおやつを食べるのが理想ですが、コンビニで販売されているお菓子や子どもがご褒美として選ぶお菓子は糖分や塩分がたくさん含まれているものが多いです。
3食より食事回数が多くなると、摂取カロリーが高くなります。
消費カロリー
子どもの消費カロリーが低くなるのは、運動不足と睡眠時間が原因です。
運動不足
近所のスーパーに、自動車で出かけていませんか?
また、子どもが自由に動き回ると、買い物がしにくいので、スーパーの中では、ベビーカーに子どもを乗せるお母さんもいると思います。
また、夏場は熱中症など、冬場は風邪やインフルエンザなどの病気にならないように、子どもを自宅で遊ばせるお母さんが増えています。
確かに、子どもを連れて、スーパーで買い物をし、重い荷物を持って帰るのは大変です。
また、子どもが病気になると学校を休ませたり、働いているお母さんであれば、会社を休んだりしなければいけません。
しかし、便利な自動車やベビーカーを使ったり、自宅で遊ばせたりすることで、子どもが身体を動かす機会が減ってしまいます。
子どもが身体を動かす機会が減ると、消費カロリーが低くなります。
睡眠不足
好きなアニメの映画作品のテレビ放送を見たり、テレビゲームで遊んだりして、夜更かしをする子どもが増えています。
睡眠時間が短いと、身体の血行が悪くなり、基礎代謝が落ちて、消費カロリーが減ってしまいます。
また、起きている時間が長いと、小腹が空いて、お菓子をついつい食べてしまいます。
夜更かしをすると、消費カロリーが減るうえに、摂取カロリーが増えてしまうのです。
子どもの肥満の解消法
子どもの体型を維持するためには、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを保つように、もし、子どもに痩せてほしいなら、消費カロリーが摂取カロリーを上回るように、生活習慣を改善しなければいけません。
食生活
昔から親しまれている和食はヘルシーで、日本人の体質によく合っています。
摂取カロリーを減らすために、食事を和食中心にしましょう。
また、食物繊維が不足すると、腸に便がたまって便秘になってしまいます。
食物繊維は野菜や海藻類に多く含まれています。
ファーストフード店やファミリーレストランを利用した食事では野菜が不足してしまうので、お昼ごはんを外食したら、夜ごはんに野菜をたっぷり食べるなど、1日に必要な野菜を3食でカバーできるように調整しましょう。
おやつに、食物繊維が含まれているお菓子を食べてもいいですね。
また、注意したいのが、お母さんが食べるおやつの種類と量です。
子どもはお母さんが食べているものをよく見ています。
お母さんが高カロリーで甘いおやつを食べていると、子どもも欲しがります。
食生活に関する私の体験談
私の息子はおやつやデザートの名前を覚えるのが早く、私がチョコレートを食べていたら「チョコレート、ちょうだい」と言うようになりました。
「一つだけならいいだろう」と軽い気持ちで、チョコレートのかけらを食べさせたら、私が食べていなくても「チョコレート、食べよう」と言うようになってしまいました。
甘いおやつをどうしても食べたくなったら、子どもから見えない場所で食べましょう。
運動
荷物が多くなるという理由で、歩いて近所のスーパーに出かけるのが大変なら、重い物はネットスーパーで買って配達してもらったり、お父さんに会社帰りに買って帰ってもらったりするようにして、スーパーに軽い物を買いに歩いて行くようにしてみましょう。
近所にスーパーがなく、やむを得ず、自動車で買いに行く場合には、買い物の前後に、公園や子育て支援センターなどに立ち寄って、身体を動かす時間を設けるといいですね。
子どもの年齢に合った遊具がある公園に連れて行くのが理想ですが、遊具がなければ、ボールや水鉄砲を持って行くなど、子どもが身体を動かしたくなるように工夫しましょう。
睡眠
規則正しい生活を送るためには、毎日同じ時間に寝ることが大事です。
夕方を過ぎてもお昼寝をしていると、夜に寝付けなくなってしまいます。
就寝時間を決めて、夜ごはん、お風呂、お昼寝などの時間を逆算して決めましょう。
また、お母さんやお父さんが夜更かしをしていると、子どもも夜更かしをしてしまいます。
お母さん達も子どもと一緒に寝るなど、早寝早起きの生活を心がけてください。
とはいえ、夫婦二人でゆっくり過ごす時間も大切です。
子どもがいると、ただでさえ、夫婦二人の時間は少なくなりがちなのに、子どもと一緒に早寝早起きをすると、夫婦二人の時間がますます少なくなってしまいますよね。
お母さん達が夜遅くまで起きていたい場合は、子どもが寝てから、子どもを起こさないようにそっと起きましょう。
子どもの肥満を解消する時の注意点
子供に痩せてほしいからといって、食事内容を突然洋食から和食に変えたり、突然おやつをなくしたりすると、子どもが戸惑うかもしれません。
年齢が大きく、察しがいい子どもなら「お母さんは痩せてほしいのかな?」と気付くかもしれませんが、子ども自身が「周りの友達に比べて、私は太り気味だ。」と気にしているとしたら、子どもが傷付いてしまいます。
特に女の子は自分の体型の変化に敏感です。
周りから体型を指摘されると、ダイエットし過ぎたり、ダイエットする必要がないのにダイエットしたりして、成長に支障をきたすおそれがあります。
乱れた食生活を送る期間、睡眠不足、運動不足である期間が長ければ長いほど、子どもの生活習慣を改善するのが難しくなりますが、一日で食生活をガラリと変えるのではなく、3日間ほどかけて変えていきましょう。
また、子どもが太っていなくても、子どもの生活習慣が乱れていることに気付いたら、できるだけ早く軌道修正するようにしましょう。
子どもが油っこいものやおやつを食べたがるのは、大人が子どもに食べさせてきたからです。
子どもが運動したがらなかったり、夜更かししたがったりするのは、大人が運動しない環境や夜更かしする環境をつくってきたからです。
子どもは大好きなお母さん、お父さんの真似をします。
まずは、大人が油っこいものやおやつを控えたり、身体を積極的に動かしたり、早寝早起きをしたりするように心がけてくださいね。
まとめ
子どもの肥満の基準、原因、解消法、解消する時の注意点を紹介しました。
・運動不足や睡眠不足によって
・摂取カロリーが消費カロリーを上回る
子どもに痩せてほしいなら、消費カロリーが摂取カロリーを上回るように、生活習慣を改善しなければいけません。
野菜を取り入れた和食中心の食事、定期的な運動、早寝早起きを心がけましょう。
子どもは大人の真似をして育ちます。
お母さん、お父さんが率先して野菜を食べたり、身体を動かしたり、布団に早く入ったりして、子どもに真似をしてもらってくださいね。