子どもに話しかけても反応がなく、イライラしたり、心配したりしたことのあるお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
私は子どもに話しかけても反応がなく「耳垢が詰まって、声をさえぎっているんじゃないか」と疑って、耳の中を確認したことがあります。
でも、実は、子どもが話を聞かないのには、理由がちゃんとあるんです。
子どもが話を聞かない4つの理由と対処法を紹介します。
目次
子どもが話を聞かない4つの理由
話をいつも聞かない子どもは少ないと思います。話を聞いてくれる時と聞いてくれない時があるからこそ「どうして、話を聞かないの?」と悩むのではないでしょうか。
子どもが話を聞かない理由は、主に4つあります。
1.別の音や物が邪魔している
子どもに話しかけた時に、お母さんの声以外の音が子どもの耳に入っていませんか?
テレビをつけていると、お母さんの声と一緒に、テレビの音が子どもの耳に入ります。
私達大人でも、2人以上から同時に話しかけられると、うまく聞き取れませんよね。「2人同時に話さないで」「聞き取れないから、順番に話して」 と言ったことのある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。大人でも複数の音を聞き分けられないのに、聞くことに慣れていない子どもが聞き分けられるわけがありません。
また、音以外にも、お母さんの声を邪魔する物はたくさんあります。
おもちゃで遊んでいる時や絵本を読んでいる時に話しかけても、遊ぶことや読むことに夢中になっていたら、お母さんの声は耳に入りません。
2.話が長くて飽きている
お母さんの小学生の頃を思い出してみてください。
始業式や終業式、運動会などで「校長先生の話は長いなぁ」「早く終わってくれないかなぁ」と思ったことはありませんか?運動場の砂に落書きをして、時間をつぶしたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
子どもにとって、長い話は退屈。
最初は話を聞けても、時間が経つにつれて、集中力が薄れて、話を聞けなくなります。ページ数の多い絵本を読んで、集中力が途切れてしまうのと同じですね。
3.叱られているように感じている
子どもがしてはいけないこと、してほしくないことをした時に、子どもを叱るのは親の役目。お父さんに比べて、子どもとよく接するお母さんのほうが叱る機会が多いですよね。
癖で、叱る時の口調や声色で、子どもに話しかけていませんか?
子どもにとって、話の内容を完全に理解することは難しいです。
そのため、お母さんの口調や声色から、話の内容がいい話なのか、それとも、悪い話なのかを区別しています。
子どもを褒めるような明るい内容なのに、口調や声色が叱っている時と同じでは、子どもが叱られていると勘違いしてしまいます。口調や声色によっては、話の内容がちゃんと伝わらないんです。
叱られてばかりいるように感じると、子どもは「お母さんの話はもう聞きたくない」と思って、聞こえないふりをしてしまいます。
4.話がワンパターンでつまらない
「今日のお昼ごはんはカレーだよ」「今日は天気がいいね」など、似たような会話を繰り返しているということはありませんか?
夫婦間でも、会話がワンパターンだと、「昨日もこの会話をした」「他に話題はないの?」と夫婦仲がマンネリ化しますよね。
話がワンパターンだと、子どももつまらないと感じて、聞き流してしまいます。
子どもが話を聞かない時の対処法
では、子どもが話を聞くようになるためには、どうしたらいいのでしょうか。
対処法をみていきましょう。
1.聞くことに集中できる環境をつくる
お母さんの話を子どもに絶対に聞いてほしい時には、子どもの耳に、お母さんの声しか入らない環境をつくりましょう。
例えば、テレビをつけっぱなしにしているならテレビを消したり、音楽を流しっぱなしにしているなら音楽を止めたりしてください。
テレビをつけっぱなしにして、絵本の読み聞かせをしようとすると、目線がテレビと絵本を行ったり来たりするのだとか。
小児科の先生から言われるまで、恥ずかしながら、テレビをつけたまま、絵本を読み聞かせしていました。先生の一言で、「確かに、絵本を読んでいるのに、子どもはテレビを見ていたなぁ」と気付かされました。
それからは、絵本を読む前に、テレビを必ず消しています。
また、子どもがテレビに夢中になって、私の話を聞いてくれない時にも、テレビを一時的に消しています。最初は、子どもが「テレビをつけて!」とグズりましたが、今では、私の話を聞き終わるまで、テレビをつけるように要求しなくなりました。
また、子どもがおもちゃで遊んだり、絵本を読んだりしているなら、まずは、手を止めさせましょう。
子どもに話しかける時に、「お母さんの話をちょっとだけ聞いてくれるかな」と声をかけて、子どもの手を優しく握ってみてください。
子どもの視界にお母さんの姿が入ってから話し始めれば、お母さんの声が耳に入りやすくなります。
話を聞いてほしいからといって、絶対にしてはいけないのは、おもちゃや絵本を取り上げること。おもちゃや絵本を取り上げると、子どもが泣いたり、怒ったりして、お母さんの話を聞こうとしなくなります。
お母さんは取り上げたつもりがなくても、子どもには取り上げたように見える場合もあります。
私は子どもに話を聞いてほしくて、子どもが目を離したすきに、絵本やおもちゃをササッと片付けたことがあります。
すると、絵本がないことに気付いた息子は「絵本はどこに行ったの?」と言って大泣き。私の話を聞くどころではありませんでした。
子どもの手を優しく握って、おもちゃや絵本を自然に離せば、子どもが「おもちゃを取り上げられた!」と感じることはありませんよ。
テレビをつけっぱなしにすることは、親子間のコミュニケーションの妨げにもなります。
子どもがテレビを見ることに慣れる前に、知りたい情報がない時は、テレビを消すという習慣を身につけるといいかもしれませんね。
2.簡潔に話す
子どもにダラダラと話をしても、集中力が続きません。
子どもに伝えたいことを、簡潔に話すようにしましょう。話がどうしても長くなってしまう場合は、どうしても伝えたい結論を最初に話して、その後に理由などを話してください。
また、最初から最後まで、話をしっかり聞いてほしい時には「これから大事な話をするから、よく聞いてね」「一度しか言わないよ」など、いつもとは違う声かけをしましょう。
雰囲気がガラッと変わるので、子どもをお母さんの話に引きつけることができます。そして、話をできるだけ短くまとめるなど、子どもが興味をもつように工夫してみてください。
3.笑顔で、明るい声で話しかける
子どもに話しかける時には、明るい声で、少し高めの声で話しかけるように意識しましょう。
また、口角を上げて、笑顔で話しかけることを忘れないでください。
怒っている、イライラしている怖いお母さんの話は、子どもも聞きたくありません。でも、ニコニコしている、笑顔のお母さんの話は、子どもも興味がわいて、聞きたくなるはずです。
中には、見過ごせないいたずらもあり、子どもをよく叱ります。
よく叱っているうちに、忙しい時に、叱る時と同じ口調、声色で、そして、真顔で話しかけるようになっていました。忙しい時こそ、子どもには話をしっかり聞いてほしいもの。
話しかける時に、一度深呼吸をして、心を落ち着かせてから、笑顔で話しかけましょう。
4.質問したり、クイズを出したりする
会話がワンパターンにならないように、新しい話題を探してから、子どもに話しかけていたら、お母さんも疲れてしまいます。会話はワンパターンでもかまいません。
その代わり、会話の中に、質問やクイズを盛り込みましょう。
「今日の給食は何だった?」「夜ごはんは何を食べたい?」など、子どもに考えさせて、返事をさせるような会話であれば、子どもも退屈しません。答えるのが難しそうであれば、「ハンバーグと唐揚げ、どっちがいい?」など、選択肢を出してあげてもいいですね。
私は子どもに「今日は幼稚園で何をしたの?」という質問を、毎日繰り返しています。最初は「友達と遊んだ」と返事するだけでしたが、「遊んだ友達の名前は?」「外で遊んだの?お部屋で遊んだの?」と、質問を広げていきました。
すると、質問しなくても、子どもが自分から教えてくれるようになりました。
今では、仕事から帰ってきた夫に、子どもが今日の出来事を話します。
同じような話題でも、話題をどんどん広げていくことで、子どもの聞く力を養いながら、子どもの成長を実感できますよ。
5.お母さん以外の人が話す
家族の中で、子どもと接する時間が一番長いのはお母さんですよね。
もしかしたら、お母さんの声に慣れ過ぎて、子どもが聞き流しているのかもしれません。子どもがお母さんの話をどうしても聞いてくれない場合は、子どもと接する機会が少ない人から、話をしてもらいましょう。
お父さん、おじいちゃんやおばあちゃんから、「ねぇねぇ、聞いて」と言われると、子どもも集中して聞くはずです。
ついでに、「お母さんの話もよく聞くんだよ」と言ってもらうといいですね。
当時、私は妊娠していて、お腹が大きくなり始めた時期でした。長く立っていられず、子どもに早く準備をしてほしいと思って、指示をどんどん出していました。
例えば、お出かけする時。
「上着を着て、靴を履いて、帽子をかぶって」と、上着を終わっていないのに、靴を履いたり、帽子をかぶったりするように話しました。
子どもは上着を着終わったものの、靴を履かず、帽子もかぶらず、玄関で座っていました。「上着を着終わったら、靴を履いて、帽子をかぶって」とうながすと、次は、靴を履き終わったものの、帽子をかぶりませんでした。
結局、同じことを3回も言うことになり、子どもが私の話を聞いていないのではないかとイライラしてしまいました。
ある日、プレ幼稚園に子どもを連れて行った時のこと。子どもに「鞄から上靴を出して、履いて」と話したところ、子どもは鞄から上靴を出した後、ぼーっと立っていました。すると、子どもと私の様子を見ていた先生が教えてくれました。
「指示を一つ一つ出してあげると、子どもも理解しやすいですよ」と言うんです。
例えば、鞄から上靴を出して履くという一つの流れを、「まずは、鞄から上靴を出そう」と話しかけ、上靴を出したのを確認してから、「次は上靴を履こう」と声をかけるということ。
先生から受けたアドバイスのとおり、子どもに一つずつ声をかけてみたところ、子どもが話を聞くようになりました。
同じ話を何度も繰り返すより、短い話を繋げるほうが、子どもはもちろん、お母さんもストレスがたまりません。
私達大人が聞き慣れている日本語は、言葉を理解していない子どもにとって、外国語と同じ。外国語をどんどん話されても、理解できなかったり、覚えきれなかったりしますよね。
お母さんも忙しいとは思いますが、子どものペースにあわせて話しかけることが、一番スムーズに進むのかもしれませんね。
まとめ
子どもが話を聞かない理由と対処法を紹介しました。
・話が長くて飽きている
・叱られているように感じている
・話がワンパターンでつまらない
などの理由が挙げられます。
・簡潔に話す
・笑顔で、明るい声で話しかける
・質問したり、クイズを出したりする
ようにして、話を聞いてもらいましょう。
たまには、お父さんやおじいちゃん、おばあちゃんから人が話してもらうのもいいですね。
聞く力は、言葉の正しい発音を覚えたり、先生の話を聞いたりするのに欠かせません。
子どもが話を聞いてくれないのには、理由がちゃんとあります。
理由をみつけるのは大変かもしれませんが、子どもが話を聞いてくれない状況が続くと、お母さんもストレスがたまってしまいます。
理由をつきとめて、楽しく育児しながら、子どもの聞く力を養いましょう!