妊娠週数が進むと、お腹が大きくなりますが、妊娠して変化するのは、お腹だけではありません。
妊娠による身体の変化は、全身に現れます。中には、歩こうとしたり、立とうとしたりした時に、下半身に痛みを感じる妊婦さんもいます。下半身に痛みを感じたら、もしかしたら、坐骨神経痛になっているのかもしれません。
2回の坐骨神経痛経験から、妊娠中に坐骨神経痛になりやすい理由、坐骨神経痛になった時の対処法、おすすめのアイテムを紹介します。
目次
妊娠中に坐骨神経痛になりやすい3つの理由
坐骨神経痛とは、その名のとおり坐骨神経に痛みを感じる症状です。
坐骨神経は腰から脚にかけて伸びていて、神経が圧迫されたり、刺激されたりした時に、痛みを感じます。坐骨神経痛は腰痛から始まり、やがて、お尻、足の付け根、太ももにと、痛みが下がっていきます。
坐骨神経痛は、年齢に関係なく発症しますが、特に妊娠中は坐骨神経痛になりやすいんです。
なぜ、妊娠中は坐骨神経痛になりやすいのでしょうか。
妊娠中に坐骨神経痛になりやすい理由をみていきましょう。
1.リラキシンの分泌
リラキシンは、妊娠中に分泌量が増える女性ホルモンの一種。
分娩がスムーズに進むように、産道周りの関節や靭帯を緩める働きがあります。関節や靭帯が緩まると、骨盤が不安定になったり、筋肉に負担がかかりやすくなったりします。
その結果、坐骨神経が圧迫されて、坐骨神経痛になってしまいます。
2.反り腰
妊娠週数が進み、お腹が大きくなると、妊婦さんの姿勢は変わります。重いお腹によって、身体が前に傾く前傾姿勢になりやすくなるんです。前傾姿勢になると、猫背になりますよね。
猫背になると、肩や首回りの血流が悪くなり、身体が冷えてしまいます。妊婦さんにとって、身体の冷えは大敵。「妊娠中は身体を冷やしてはいけない」と意識するあまり、上半身を後ろに反らせる反り腰になってしまう妊婦さんが多いんです。反り腰になると、腰椎が不自然に曲がり、神経の通り道である脊柱管が狭くなって、坐骨神経痛になってしまいます。
また、反り腰はお尻の筋肉にも負荷がかかるため、腰だけでなく、お尻に痛みを感じる妊婦さんもいます。
3.運動不足
安定期に入ると、マタニティヨガに通うなどして、身体を適度に動かす妊婦さんが多いです。
でも妊娠初期は、万が一に備えて、行動を最小限に抑えがち。妊娠後期・臨月には、お腹が大きくなるので、動くのが億劫になります。
10ヶ月の妊娠期間を通して考えると、妊娠中は運動不足になりやすいんですね。座ったり、寝転んだりする時間が長いと、腰やお尻に負担がかかり、坐骨神経が圧迫されて、坐骨神経痛になってしまいます。
妊娠中に坐骨神経痛になった時の対処方法
妊娠をきっかけに、坐骨神経痛になった妊婦さんは「出産したら、坐骨神経痛は治るでしょ」と思うかもしれません。
確かに出産したら、坐骨神経痛が治ったという方がほとんど。出産していなくても、「いつの間にか、坐骨神経に痛みを感じなくなった」という妊婦さんもいます。
でも中には、出産しても坐骨神経痛が治らなかったり、坐骨神経痛によって、分娩時にいきめなかったりする妊婦さんもいるんです。坐骨神経痛を軽く考えていると、出産や育児に支障が出る可能性があります。
では、妊娠中に坐骨神経痛になったら、どうしたらいいのでしょうか。
妊娠中に坐骨神経痛になった時の対処方法をみていきましょう。
妊娠中に坐骨神経痛になった時の対処法は5つあります。
産婦人科で、湿布を処方してもらう
妊娠中の身体の変化は、産婦人科で診てもらうのが一番です。
「坐骨神経痛なら、整形外科を受診するべきじゃないの?」と、疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、坐骨神経痛になったら、整形外科を受診するのが適しています。
でも一般的に、産婦人科以外では、妊婦さんの受診はお断りされてしまいます。
妊娠中は、お母さんの血液を通じて、お腹の中にいる赤ちゃんに栄養が運ばれますが、運ばれるのは身体にいいものだけではありません。薬の成分も運ばれるんです。病気になっていない赤ちゃんに薬の成分が届くと、赤ちゃんの身体に大きな負担がかかってしまいます。
また、坐骨神経痛を引き起こすリラキシンは、分娩時に必要なホルモンです。薬を使って、リラキシンの分泌を抑えると、分娩時のリスクが高まってしまいます。
妊娠中は、服用しても問題ない薬を処方してもらう必要があります。これは、湿布でも同じ。湿布の有効成分は、皮膚から血液に入ります。皮膚に貼るものであっても、妊婦さんが安心して使用できるものを選ばなければいけないんです。
湿布の有効成分が赤ちゃんに問題ないかどうかは、産婦人科がよく知っています。次の妊婦健診まで我慢できるなら、妊婦健診の時に相談してください。もし我慢できそうになければ、電話で症状を話して、指示をあおぐといいですね。
座る姿勢を正す
腰やお尻に負担がかかって、坐骨神経痛になるなら、腰やお尻にかかる負担を分散させることが大事です。
身体のバランスを意識して、正しい姿勢を保ちましょう。椅子に座る時は足を組まず、体重がお尻に左右均等に乗りかかるように座ります。床に座る時は、座布団やクッションをお尻に敷いて、足を正面にまっすぐ伸ばして座ります。足を横に流す横座りはバランスが崩れてしまいます。
また体育の授業で習った三角座りは、お尻の一部分に負担がかかるのでやめましょう。
横向きに寝る
足をまっすぐ伸ばして、仰向けに寝ると、敷き布団と腰の間に隙間ができて、腰に負担がかかります。
仰向けに寝る時間が長いと、寝転んでいても反り腰になってしまいます。寝返りを打って、仰向けから横向きになるなど、体勢を変えれば問題ありませんが、寝ている間に、体勢を変えようという意識をもつことはできませんよね。足を曲げて仰向けに寝ると、敷き布団と腰の間に隙間ができにくくなります。仰向けに寝たい場合は、膝にクッションを敷くといいですね。
また妊娠後期に入ると、仰向けで寝るのがしんどくなる妊婦さんが多いです。横向きに寝転んで、足と足の間に抱き枕を挟んで寝るシムズの体位は、坐骨神経痛の軽減にも繋がるのでおすすめですよ。
ストレッチをする
坐骨神経痛になると、身体を動かすのが嫌になると思います。
でも身体を適度に動かして、血行を促進しなければ、坐骨神経痛は改善できません。妊娠中は体重が増えたり、身体が冷えたりしやすいので、身体を動かさなければ、坐骨神経痛が悪化するおそれがあります。
身体の調子がいい時に、ストレッチをして、筋肉をほぐしてあげましょう。お風呂上がりは、血液の流れが良くなっているので、ストレッチをするのにおすすめのタイミングです。
ただし、痛みが強い時に、無理をしてストレッチすると、痛みが強まる可能性があります。痛みが強い時ではなく、痛みをあまり感じない時に、積極的にストレッチをするといいですね。
骨盤ベルトを巻く
腰、お尻、足に、体重を均等に分散するためには、正しい姿勢を保たなければいけません。でも「背筋を伸ばさないと!」「足を組まないようにしないと!」と、正しい姿勢を意識し続けるのは、ストレスがたまると思います。
そこで大活躍するのが、骨盤ベルトです。骨盤に巻くだけで、歪むのを予防したり、身体の左右のバランスを保ったりすることができます。正しい姿勢を自然に保つサポートをしてくれるんです。
妊娠中に坐骨神経痛になった時のおすすめのアイテム
妊娠中に坐骨神経痛になった時の対処法として「骨盤ベルトを巻く」と紹介しました。
私が実際に使って良かった私のおすすめの骨盤ベルトは、「トコちゃんベルト2」です。
トコちゃんベルト2とは
説明書どおりに、骨盤にトコちゃんベルト2を巻き付けるだけで、骨盤の歪みを戻したり、骨盤を支えたりすることができます。安い買い物ではありませんが、妊娠中はもちろん、産後まで長く使えるので、持っておいても損はありません。
トコちゃんベルト2の口コミ
妊娠初期の腰痛に悩まされ、購入しましたが、妊娠後期の今も、外に出る時は、ほぼ毎日使っています。
あるのとないのでは全然違いました。
汗をかくので、洗い替え用にもう1つ欲しいくらいです。
付け方に慣れてしまえばささっと装着でき、おかげさまで大分痛みが楽になりました!
妊娠中に坐骨神経痛になった私の体験談
私には子どもが二人いて、第一子の妊娠でも、第二子の妊娠でも、坐骨神経痛になりました。
第一子の妊娠で、坐骨神経痛になった時、産婦人科に相談したんですが「薬を使えないから、我慢するしかない」と言われてしまいました。
当時は、まだ妊娠8週目。「出産まで、日にちがまだまだある」と考えると、ストレスがたまったり、分娩に不安を感じたりするようになりました。
そんな時に出会ったのが、トコちゃんベルト2。
巻き付け方やサイズ選びが丁寧に説明されていて、口コミも高評価だったので、信じて購入しました。
最初は巻き付けるのに時間がかかりました。また、トイレに行く度に、ベルトを外さなければいけないので、面倒くさく感じました。
でも巻き付けるだけで、痛みを軽減でき、坐骨神経痛になる前と同じように、身体を動かせるようになりました。慣れれば、一分もかけずに巻き付けられると思います。
第二子の妊娠でも、坐骨神経痛になり、産婦人科に相談しました。
妊娠中でも貼ることができる湿布を処方されましたが、医師から「気休め」と言われてしまいました。
湿布を早速貼りましたが、医師の言うとおり、気休め程度の効果。湿布を貼った箇所がかぶれるようになり、第一子の妊娠中に活躍したトコちゃんベルト2を引っ張り出して、骨盤に巻き付けました。
感じ方には、個人の差があると思いますが、産婦人科で処方された湿布より、痛みを軽減することができました。
トコちゃんベルト2は、とってもいい商品なんですが、一つだけ注意点があります。
それは、ベルトを骨盤に直接巻き付けないこと。骨盤に直接巻き付けると、身体を動かした時に、ベルトと肌の間に摩擦が生じて、肌が荒れてしまいます。腹巻を付けて、腹巻の上から、ベルトを巻くようにするといいですよ。
まとめ
妊娠中に坐骨神経痛になりやすい理由、坐骨神経痛になった時の対処法、おすすめのアイテムを紹介しました。
妊娠中に坐骨神経痛になりやすいのは、リラキシンの分泌、反り腰、運動不足などが原因です。
妊娠していない場合、薬を服用して、治療を進められますが、妊婦さんは服用できる薬に制限があります。
また、坐骨神経痛を引き起こすリラキシンは、分娩時に必要なホルモンなので、分泌を抑えると分娩時のリスクが高まります。
妊娠中に坐骨神経痛になったら、産婦人科で、湿布を処方してもらう、座る姿勢を正す、横向きに寝る、ストレッチをする、骨盤ベルトを巻くなどして、対処しましょう。
妊娠中のトラブルは、身体的にも、精神的にも良くありません。「坐骨神経痛かも」と思ったら、できるだけ早く対処してくださいね。