天気が悪い日や感染症が流行っている時期など、自宅で過ごす時間の長い日がありますよね。
自宅で過ごす時間が長いと、子どもとどう過ごせばいいのか、悩みませんか?
「とりあえず教育テレビを見せよう」と考えるお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
教育テレビを子どもに見せると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
また、デメリットはあるのでしょうか?
幼児に教育テレビを見せるメリットとデメリット、効果的な見せ方と注意点を紹介します。
目次
幼児に教育テレビを見せるメリット
幼児に教育テレビを見せるメリットをみていきましょう。
知らないものに出会える
子どもの一日の過ごし方を思い浮かべてください。
子どもはどこで過ごしていますか?
幼稚園に通っていない子どもであれば、家と公園やスーパーの往復、
幼稚園に通っている子どもであれば、家と幼稚園の往復だけではないでしょうか?
子どもの行動範囲は、お母さんが子どもをどこに連れて行くかに左右されます。
お母さんが子どもを動物園に連れて行けば、子どもはキリンやゾウなどを見ることができます。
子どもを水族館に連れて行けば、スーパーに並んでいないような魚、イルカやアシカなどを見ることができます。
「子どもにいろいろなものを見せてあげたい」と考えるお母さんは多くいらっしゃると思います。
でも、実際に、子どもを動物園や水族館に何度も連れて行くのは大変ですよね。
教育テレビは、動物園や水族館で暮らしている生き物を、間近で撮影した映像を流しながら、詳しく解説してくれます。
子どもの普段の行動範囲の中では見られないものを、家でゆっくり見ることができるんです。
また、子どもの行動範囲の中であっても、子どもには見えていないものがたくさんあります。
大人は背が高いので、周りを見渡せば、さまざまなものが視界に入ってきます。
でも、子どもは背が低いので、大人が見ている景色を見ることができないんです。
例えば、花壇に咲いている花にちょうちょが止まっていたら、子どもでもちょうちょを見ることができます。
でも、ちょうちょが空を飛んでいたら、子どもにはちょうちょを見ることができませんよね。
教育テレビを通じて、子どもが知らないものに出会うことができます。
英語にとっつきやすくなる
国際化が進み、多くの幼稚園で英語教育が取り入れられています。
幼稚園で英語を学び始める時に、世界にはさまざまな言語があること、さまざまな人が住んでいることを教えてくれます。
でも、話を一度聞いただけで、理解できる子どもは多くありません。
外国に行ったことのある子どもは、世界に髪や肌の色が違う人がいること、日本語以外の言葉を話す人がいることを、経験を通じて理解できます。
でも、外国に行ったことのない子どもは、話だけでは想像しづらいですよね。
教育テレビに出演するのは日本人だけではありません。
教育テレビを通じて、世界にはさまざまな国があり、人がいることを知れば、英語にとっつきやすくなるかもしれません。
また、教育テレビでは、言葉を話し始めたばかりの子ども向けに、楽しく学べる英語の番組が放送されています。
「英語を習わせたほうがいいかしら」と悩んでいるお母さんは、まず、教育テレビで放送されている英語の番組を子どもに見せてはいかがでしょうか。
子どもが英語に興味をもっているようであれば、英語を習わせるなど、判断材料にしてみるといいかもしれません。
会話のネタができる
お母さんが子どもの頃に大好きだったアニメはありませんか?
アニメが放送された次の日は、友達とアニメの話で盛り上がったというお母さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか?
教育テレビも同じで、「昨日の『おかあさんといっしょ』、見た?」「ダンス、覚えた?」など、友達との会話のネタになります。
会話が成り立たない年齢の子どもであっても、好きなダンスや歌・キャラクターが共通して、仲良くなることもあります。
同じクラスの子どもが「あっ!ニャンちゅうだ!」と言って、そのぬいぐるみをよく取り合っていました。
また、教育テレビは、友達との会話のネタになるだけではなく、お母さんやお父さん、家族との会話のネタにもなります。
子どもがお母さんやお父さんの知らない歌を歌ったり、踊ったりしていたら、不思議に感じますよね。
「その歌は何?」「どこでその踊りを習ったの?」と子どもに声をかけることで会話が始まります。
仕事が忙しく、家になかなかいられないお父さんも、子どもが家でどのように一日を過ごしているのかを知る手がかりになります。
幼児に教育テレビを見せるデメリット
幼児に教育テレビを見せるデメリットをみていきましょう。
覚えてほしくない言葉や行動を覚える
大人が思っている以上に、子どもは言葉や知識をどんどん吸収します。
教育テレビでは、「こんにちは」や「ありがとう」など、子どもに覚えてほしい言葉がたくさん登場します。
その一方で、番組によっては、お母さんが子どもに覚えてほしくない言葉が登場するかもしれません。
また、言葉だけでなく、子どもにしてほしくない行動も登場するかもしれません。
人を軽蔑するような言葉を覚えたり、人が嫌な思いをするような行動を覚えたりすると困りますよね。
覚えないように、また、覚えても真似をしないように注意しなければいけません。
言葉の発達が遅れる
教育テレビに限らず、テレビは映像と音声を流すだけです。
子どもが質問しても答えてくれません。
そのため、テレビを見る時間が長ければ長いほど、会話する力が身につきにくく、言葉の発達が遅れるといわれています。
また、テレビから流れる音声を聞き続けることで、自分から言葉を発さない、受け身になりやすいともいわれています。
子育てを教育テレビに任せがちになる
個人差はありますが、3歳児から5歳児までの子どもの理想的な睡眠時間は、11時間から13時間といわれています。
一日が24時間なので、起きて活動に充てられる時間も、11時間から13時間ということになります。
身支度やお風呂、食事の時間などを除いた時間を全て、教育テレビを見ることに充てるのはもったいないです。
子どもがテレビに集中していると、お母さんは自分の時間を確保できるので、子育てが楽になります。
でも、楽ができるという誘惑に負けず、子育てを教育テレビに任せないように、お母さんが自分自身を律さなければいけません。
教育テレビの効果的な見せ方と注意点
教育テレビの効果的な見せ方をみていきましょう。
部屋を明るくして、離れて見る
子ども向けのアニメで、「部屋を明るくして、離れて見てね」というテロップを見たことはありませんか?
暗い部屋で、明るいテレビを見ると、目が疲れて、視力が低下しやすくなります。
テレビを見る時は、電気をつけて、部屋を明るくしてください。
また、テレビに近付き過ぎると、目の焦点をあわせにくくなります。
私達がスマホに集中すると、スマホと目の距離がだんだん近くなるように、子どもがテレビに集中すると、テレビとの距離が近くなってしまいます。
テレビを見る時には、テレビの高さの3倍程度の距離を保つといいといわれています。
例えば、52型のテレビで見る場合、テレビの高さが65cmなので、195cm離れて見るのが理想的です。畳一枚が91cm×182cmなので、4畳の部屋でテレビを見るとなると、部屋の端に座って、テレビを見ることになります。
6畳以上の部屋にテレビを置いて見ましょう。
見る時間を決める
子どもに教育テレビを見せることで、子どもの知識が増えたり、子どもに知識を定着させたりする効果を期待できます。
でも、だからといって、教育テレビをずっと見せ続けることはよくありません。
先述したように、子どもが活動に充てられる時間は11時間から13時間。11時間から13時間を、どのように過ごすのか、子どもと一緒に考えてあげましょう。
教育テレビで学べることはたくさんありますが、絵本を読んだり、お母さんやお父さんと会話を楽しんだりすることも大事です。
折り紙や粘土で遊んで、手指を動かすこと、外で身体を動かすことも、子どもの成長に欠かせません。
習い事をしている子どもであれば、課題に取り組まなければいけないかもしれませんよね。
そして、残った時間を、教育テレビを見る時間に充てましょう。
見る番組を選ぶ
子どもに、絶対に教育テレビを見せなければいけないわけではありません。
2歳児を対象にした番組、3歳児を対象にした番組など、教育テレビの番組内容はさまざま。
小学生を対象にした番組を幼児に見せても、子どもは楽しめません。
子どもの年齢にあった番組、子どもが興味をもっている番組だけを見せるなど、見る教育テレビを選びましょう。
教育テレビで放送されている番組は、子どもが自然と興味をもつように、構成や画面の切り替え方が工夫されています。
例えば、子どもが着替えるシーン。
「自分にもできるかも」とチャレンジする気持ちが芽生えるように、番組の対象年齢より少し大きい子どもが自分で着替えるシーンを放送します。
また、画面が切り替わると、子どもの集中力が途切れてしまうので、カメラのアングルを固定して撮影します。
教育テレビで放送されている番組以外にも、子どもが興味をもつテレビ番組はたくさんあると思います。
でも、他のテレビ番組で、このような工夫がされている番組は少ないです。
子どもに見せる番組を選ぶ時には、構成や画面の切り替え方、登場人物やキャラクターに注目してみるといいかもしれません。
リモコンはお母さんが管理する
見る番組を決めても、子どもが自分でチャンネルを変えて、見たい番組を見てしまうかもしれません。
教育テレビを見ていたはずの子どもが、自分でチャンネルを変えて、アニメを見ていたというのはよくある話です。
子どもが自分でチャンネルを変えられないように、リモコンはお母さんが管理しましょう。
子どもはボタンを押すのが好きなので、「自分でリモコンを使いたい」と言い出すかもしれません。
また、見ると決めた番組を見ている間は、チャンネルを変えないなど、約束しましょう。
お母さんも一緒に見る
教育テレビを見せるデメリットで紹介したように、テレビは映像と音声を流すだけなので、言葉の発達が遅れてしまいます。
テレビで覚えた言葉を、会話で自然に使えるようになるためには、実際に会話することが大事です。
子どもの隣に座って、お母さんも一緒に同じ番組を見て、「面白いね」など、子どもに時々声をかけましょう。
また、お母さんが隣にいれば、子どもが分からないことや疑問に感じたことをお母さんにききやすくなります。
お母さんが子どもの質問や疑問に答えてあげることで、番組から得た知識が定着して、自分のものになります。
「子どもと一緒に見るなんて・・・」と思うお母さんもいらっしゃるかもしれませんが、教育テレビは、私達大人が見ても意外と楽しめます。
例えば、さなぎがちょうちょになるシーン。
小学生の頃に、教科書で習ったことのある方は多いと思いますが、さなぎがちょうちょになるところを実際に見たことのある方は少ないのではないでしょうか。
さなぎの写真とちょうちょの写真しか見たことがなかった私は、さなぎがちょうちょになるシーンを見て、思わず「おぉ!」と言ってしまいました。
その他にも、私達が知っている物事を、教育テレビが分かりやすいように、詳しく解説してくれます。
「そうだったのか!」とビックリすることがたくさんあります。
子どもに「お母さんも知らなかった!」「初めて知った!」と正直に話してみるのもいいかもしれません。
まとめ
幼児に教育テレビを見せるメリットとデメリット、効果的な見せ方を紹介しました。
幼児に教育テレビを見せるメリットには、
・知らないものに出会える
・英語にとっつきやすくなる
・会話のネタができる
の3つが、
デメリットには、
・覚えてほしくない言葉や行動を覚える
・言葉の発達が遅れる
・子育てを教育テレビに任せがちになる
の3つが挙げられます。
教育テレビを見せる場合には、
・部屋を明るくして、離れて見る
・見る時間を決める
・見る番組を選ぶ
・リモコンはお母さんが管理する
・お母さんも一緒に見る
などして、子どもの視力を低下させないように、他の活動に支障をきたさないように注意しましょう。
育児をテレビに頼り過ぎるのは良くありませんが、教育テレビは正しく見れば子どもの成長をサポートしてくれます。
子どもと一緒に、教育テレビを楽しんでくださいね。