手料理をたくさん食べる子どもを見ると、「忙しい中、つくった甲斐があった!」と思いますよね。
一方で、いつまでも「ごちそうさま」を言わずに食べ続ける子どもを見て、「食べ過ぎじゃないかな?」と不安に感じるお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
子どもの適正な食事量は、食事を出すお母さんが管理してあげなければいけません。
そこで、子どもの食べ過ぎの判断基準、原因とその防止策、おすすめの食材を紹介します。
子どもが摂る食事の量に悩んでいるお母さんは、是非、参考にしてください。
目次
子どもの食べ過ぎの判断基準
バイキングでお腹いっぱいになるまで食べて、「食べ過ぎてしまった!」と思ったことはありませんか?
大人であれば、「お腹いっぱい!」「食べ過ぎた!」と言葉にすることができますが、子どもの年齢が低いと言葉にすることができませんよね。
子どもが食べ過ぎているかどうかは、お母さんが判断してあげましょう。
子どもが食べ過ぎているかどうか、判断するポイントは3つあります。
1.まずは成長曲線をチェック
お母さんが「うちの子、食べ過ぎじゃないかしら?」と心配していても、子どもが肥満でなければ問題ありません。
でも、「隠れ肥満」という言葉があるように、肥満かどうかは見た目だけでは判らないですよね。
まずは、母子手帳の後半に載っている成長曲線を見てください。
子どもの年齢、身長、体重を成長曲線と照らし合わせて、成長曲線から外れていないか、また、身長の伸びと体重の伸びのバランスがとれているかを確認しましょう。
成長曲線を下回っていれば痩せ気味、上回っていれば太り気味です。
また、身長が伸びている割に体重が増えていなければ、食事量が足りていないのかもしれません。
逆に、体重が増えている割に身長が伸びていなければ、食事量が十分に足りている、食べ過ぎているのかもしれません。
2.次に摂取カロリーを計算
成長曲線をチェックしたら、一日の摂取カロリーを計算しましょう。
当たり前ですが、摂取カロリーが消費カロリーを上回ると太りやすくなります。
大人であれば、意識的に身体を動かせるため、消費カロリーを計算しやすいです。
でも、子どもは「痩せよう!」と思って走ったり、泳いだりしませんよね。
子どもの消費カロリーを計算することは難しいので、摂取カロリーと必要エネルギー量を比較するのが一般的です。
例えば、2歳児が一日に必要なエネルギー量は、900キロカロリーから950キロカロリーといわれています。
朝ごはん、昼ごはん、夜ごはんの3食で、もし、おやつを食べているなら4食で、どのぐらいのカロリーを摂取しているかを計算してみましょう。
3.一日の食品目安量を確認
摂取カロリーを計算したら、一日の食品目安量を満たしているかを確認しましょう。
摂取カロリーが必要カロリーを下回っていたとしても、糖分ばかり摂っていては太りやすい体質になります。
一日に必要な食品とその目安量は、
- 主食(ご飯、パン、麺類など)
子ども用のお茶碗1杯、8枚切りの食パン1枚、うどん2分の1玉 - 主菜(魚や肉、卵や豆腐など)
肉類40グラム(薄切り肉2枚)、魚40グラム(切り身3分の1切れ)、Sサイズの卵1個、小さな納豆1パック - 副菜(野菜や海藻類)
緑黄色野菜40グラム以上、淡色野菜60グラム以上、いも類40グラム、海藻類少々 - その他
乳製品400グラム、果物150グラム(みかん1個)
といわれています。
3食、もしくは、おやつを含めた4食で、主食、主菜、副菜をしっかり摂れているかを確認しましょう。
子どもが食べ過ぎる原因
成長曲線、一日の摂取カロリー、食品目安量から、食べ過ぎだと判断した場合、何故、子どもが食べ過ぎているかという原因を突き止めなければいけません。
子どもが食べ過ぎる主な原因は早食いです。
お腹がいっぱいという満腹感は、お腹ではなく脳が感じるもの。
胃から脳の満腹中枢が刺激されるまでに、20分かかるといわれています。
食事を終えても、お腹がいっぱいにならないのは、満腹中枢が刺激されていないことが原因かもしれません。
少なくとも、20分かけて食べる必要があるんです。
噛む回数を増やして、ゆっくり食べることで、少ない食事量で満腹感を得られるようになります。
子どもの食べ過ぎ防止策
子どもが食べやすいように、噛まずに飲み込めるぐらい小さく、やわらかく調理していませんか?
よく噛んで食べる習慣をつけられるように、年齢に合わせた硬さで食材を調理し、「よく噛んで食べようね。」と声をかけながら食事しましょう。
子どもと一緒に食べると、大人は早食いになりがちですが、お母さんやお父さんの食べるスピードが速いと、子どもの食べるスピードも速くなります。
よく噛んで、食事を味わっているお母さん達の姿を見せることも大事です。
おすすめの食材
食べ過ぎてしまう子ども、太り気味の子どもには和食がおすすめです。
和食の基本は一汁三菜で、主食、汁物、おかずが揃います。
また、和食は甘い、酸っぱい、苦い、しょっぱいなどの味が揃っているので、子どもの味覚の発達を促します。
旬の魚や野菜、果物を取り入れた食事が多く、季節を楽しむこともできます。
和食でよく使われる食材の栄養素と働きを整理しておきましょう。
- 大豆製品
記憶力に関わるレシチン、骨や歯をつくるカルシウム、マグネシウムが豊富 - ごま
老化予防に働く抗酸化ビタミンEが豊富 - 海藻類
子どもの成長に欠かせない鉄分やカルシウム、便秘予防・改善効果がある食物繊維が豊富 - 野菜
ビタミンCやβカロチンなどの抗酸化ビタミンや食物繊維が豊富 - 魚
記憶力や学習能力など、脳の健康を支える働きがあるDHAが豊富 - きのこ類
カルシウムの吸収を助けるビタミンDや食物繊維が豊富 - いも類<br>脳の唯一のエネルギー源である糖質が豊富
毎回の食事で主食、主菜、副菜を揃えるのが理想的ですが、好き嫌いがある場合、食事で摂れなかったものを、おやつで補うのが理想的です。
もし、摂れなかったものがあるなら、翌日に摂ったり、昼ごはんに摂り過ぎたものがあるなら、夜ごはんを少なめにしたりするなど、一日、もしくは、二日間かけて、量を調整しましょう。
成長曲線をチェックすると、二人とも肥満ではないんですが、食べるのがとっても速い。
私が半分も食べていないうちに、二人とも食べ終わるので、食べ終わる時間を合わせるために、おかわりさせていました。
上の子と会話が成り立つようになると、上の子に「よく噛んで食べようね」と何度も言い聞かせました。
幼稚園の先生にも相談し、先生からも声掛けしてもらいました。
すると、上の子はゆっくり食べるようになりました。
でも、会話がまだ成り立たない下の子は、相変わらず早食いのまま。
そこで、下の子の食事の大きさと硬さを見直しました。
喉に詰まらせてはいけないと思うあまり、食材を細かく刻みよく煮込んでやわらかくしていたんです。
年齢に対して、ご飯を少し硬めに炊いたり、豆腐など、やわらかい食材は大きめに刻んだりと工夫したところ、食べるスピードが少し落ちました。
上の子や私より早く食べ終わりそうな時には、飲み物を飲ませる回数を増やして、調整しています。
まとめ
子どもの食べ過ぎの判断基準、原因とその防止策、おすすめの食材を紹介しました。
子どもが「お腹がいっぱい!」と話してくれたら分かりやすいですが、年齢が低いと言葉にすることができません。
子どもが食べ過ぎているかどうかは、成長曲線、一日の摂取カロリー、食品目安量から、お母さんが判断してあげてください。
子どもが食べ過ぎる主な原因は早食いです。
よく噛んで食べる習慣をつけられるように、年齢に合わせた硬さで食材を調理し、皆でゆっくり食事するように心がけましょう。
また、食べ過ぎてしまう子ども、太り気味の子どもには、主食、汁物、おかずが揃う和食がおすすめです。
摂れなかったものがあるなら、翌日に摂ったり、昼ごはんに摂り過ぎたものがあるなら、夜ごはんを少なめにしたりするなど、一日、もしくは、二日間かけて、量を調整してください。
食事量を一気に減らしたり、野菜だけを食べさせたりすると、子どもの身体と心の成長に悪影響を及ぼしてしまいます。
子どもの健康のために、時間をかけて、正しい食生活に戻していきましょう。